2017年6月23日金曜日

新約聖書原典「ペトロの手紙二」2章の翻訳(私訳)

ペトロの手紙  

2章


1.かつて、民の中に、偽預言者たちが現れましたが、また、あなたがたの中にも、同じように、偽教師たちが現れるでしょう。彼らは破滅的異端を秘かに持ち込み、彼らを買い取ってくださった主人を拒んで、自分自身に、すみやかな滅亡を招いています。2.そして、大勢の人々が彼らの放縦な生活に倣い、彼らのゆえに、真理の道が汚されるでしょう。3.彼らは貪欲と虚偽の言葉とによって、あなたがたを餌食にするでしょう。彼らに対する裁きは昔から怠りなく行われてきており、彼らの滅びは遅れることはありません。
4.神は、罪を犯した天使たちを容赦しないで、むしろ下界の暗黒の縄に引き渡し、裁きのために閉じ込められました。5.また神は、昔の世界を容赦しないで、ただ、義の布告者ノアたち八人を保護し、不敬虔な者たちの世界に洪水をもたらされました。6.また神は、ソドムとゴモラの町を焼いて灰にして滅ぼし、罪に定めて、不敬虔に陥ろうとする者たちの見せしめとされました。7.また神は、放縦な世にあって、不道徳な者たちの振る舞いによって虐待されていた正しいロトを救出されました。8.なぜなら、この正しい人は、彼らの間に住んで見聞きしては、その不法な行いに、日々、正しい心を痛めていたからです。9.主がご存知ですが、主は神を畏れ敬う人々を試みの中から救い出されますが、不義な者たちを罰して、裁きの日までとどめ置かれます。10.特に、汚れた情欲により肉に従って歩み、権威を侮る者たちを(そのようにされます)。彼らは大胆不敵で、横柄であり、栄光を恐れず、神を汚す者たちです。11.この点、天使たちは、権能にも力にも、はるかに優っているにもかかわらず、主の御前で彼らに反対してののしったり裁きを求めたりはしません。

12.この者たちは、捕らえられて滅びるよう、本能に支配されるために生まれついている理性のない動物のようなもので、知りもしないことで(神を)冒涜しているのです。これらの動物たちが滅びるように、彼らもいずれ滅ぼされて行くでしょう。13.彼らは不義を行い、不義の報酬を受けます。彼らは昼間から、ぜいたくを快楽と考えます。彼らはキズやシミのような者たちであって、自ら快楽にふけり、あなたがたを宴会に同席させ、彼らの快楽に引きこみます。14.彼らは、淫行に満ちた目を持ち、罪を犯すことをやめようとはせず、心の定まらない人々を誘惑する、心が貪欲で鍛えられた呪いの子たちなのです。15.彼らはまっすぐな道を離れて迷い、ボソルの子バラムの道に倣ったのです。バラムは不義の報酬を愛しましたが、16.自分が律法にそむいたことの譴責を受けました。ものが言えないろばが人間の声で語って、預言者の狂気な振る舞いを止めたのです。17.これらの者たちは、水のない泉、突風によって吹き払われる霧であって、彼らには暗い闇が残されています。18.なぜなら、彼らはごう慢で無駄口をたたき、迷いの中で生活してそこから逃れてくる人々を、肉欲とみだらな生活によって誘惑するからです。19.彼らは人々に自由を約束しますが、彼ら自身が破滅の奴隷なのです。人は征服されることで、その者の奴隷となるのです。20.主であり、救い主であるイエス・キリストを知って、この世の汚れから逃れても、また再びそれらのことに巻き込まれ征服されるなら、彼らの後の状態は初めの状態よりさらに悪くなります。21.義の道を知りながら、自分たちに与えられた聖なる戒めを離れるよりは、むしろ、義の道を知らなかった方が、彼らにとってはよかったのです。22.「犬は自分の吐き出したもののところに戻って来る」、また、「豚は洗っても、汚物の中に転がって行く」という真実のことわざが、彼らの身にふりかかっているのです。


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●「自然の中で聴く聖書」Ⅱ ペトロの手紙 2章




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