2017年1月30日月曜日

新約聖書原典「エフェソの人々への手紙」4章の翻訳(私訳)

エフェソの人々への手紙 

4章


1.主にある囚人であるわたしが、あなたがたにお願いします。あなたがたが召された召しにふさわしく歩き、2.あらゆる謙遜と柔和と忍耐とをもって、愛のうちに互いに忍び合い、3.平和のきずなによって、御霊による一致を守ることを熱心に努めなさい。4.体は一つ、御霊も一つです。それはちょうど、あなたがたが召されたのが、一つの希望のもとに召されたのと同様です。
5.主は一人、信仰は一つ、バプテスマは一つ、6.すべてのものの父でもあられる神は唯一であって、すべてのものの上にあり、すべてのものを通して、すべてのものの内におられる方。
7.わたしたち各自には、キリストの賜物の計りに基づいて、恵みが与えられています。8.こう言われているからです。
『彼は高いところに上られたとき、
とりこを捕らえ行き、
人々に賜物をお与えになった』と。
9.『上った』ということは、地の低い所にも下りて来られたということではないでしょうか。10.下りて来られた方ご自身は、また、すべてのことを成就するため、もろもろの天よりも高く『上られた』方でもあられます。11.彼は、ある人たちを使徒とし、またある人たちを預言者、ある人たちを伝道者、ある人たちを牧者、また教師としてお立てになりました。12.それは、聖徒たちを整えて奉仕の業を行わせ、キリストの体を建て上げ、13.わたしたちすべての者が、信仰による一致と、神の御子を知る知識による一致とに到達し、充分に成長した者となって、キリストの完成された大人の丈にまで到達するためです。14.ですから、わたしたちはもはや子供ではないので、惑わしだます悪巧みにより、人々の悪知恵による教えのあらゆる風に翻弄されたり、もてあそばれたりすることなく、15.むしろ、愛によって真理を語り、あらゆる点で、頭であられるキリストへと成長していくのです。16.このキリストにより、体全体が、すべてのふしぶしが支え合うことによって組み合わされ、結び合わされて、それぞれの部分は分に応じた働きに従って体を成長させ、愛によって自分を建て上げていくのです。
17.そこで、わたしは主にあって、おごそかに勧めます。あなたがたは(今後)、異邦人たちが空しい考えで生活しているのと同じように生活してはいけません。18.彼らの思いは暗くなっていて、彼らのうちにある無知と、彼らの心のかたくなさのゆえに、神の命から遠ざけられ、19.無感覚になっていて、貪欲にあらゆる汚れた行いをして、放縦な生活に身をゆだねています。
20.しかし、あなたがたはキリストをそのように学んだのではありません。21.イエスの内に真理があるとして、彼について聞き、彼によって教えられたはずです。22.あなたがたは以前の生活に基づく、情欲に欺かれた滅びゆく古い人を脱ぎ去り、23.あなたがたの心の奥まで新たにされて、24.義と真の敬虔によって、神にかたどって造られた新しい人を着るべきです。

25.だから、偽りを捨て、『各自は、自分の隣人に対して真実を語りなさい』。わたしたちは互いに体の一部だからです。26.『怒ることがあっても、罪を犯してはいけません』。憤ったまま、日が暮れるようであってはなりません。27.悪魔に機会を与えてはいけません。28.盗みを働く者は、今後はもう盗んではいけません。むしろ、必要とする人に分け与えるようになるために、[自分の]手で良いことのために一所懸命に働きなさい。29.役に立たない言葉を、一切、あなたがたの口から出してはいけません。むしろ、聞いている人々に恩恵を与えられるように、(人々の徳を)高めるのに必要な良い言葉を語りなさい。30.神の聖なる御霊を欺いてはいけません。あなたがたは、贖いの日のために、聖なる御霊によって証印を押されたのです。31.すべての無慈悲、憤り、怒り、わめき、中傷を、すべての悪意とともにあなたがたから取り除きなさい。32.互いに親切で、憐れみ深くありなさい。神がキリストによってあなたがたを赦してくださったように、あなたがたも互いに赦し合いなさい。