2017年2月28日火曜日

新約聖書原典「コロサイの人々への手紙」4章の翻訳(私訳)

コロサイの人々への手紙 

4章


1.主人たちよ、しもべたちに正義と公平を示しなさい。あなたがたも、主が天におられることを知っているのですから。
2.目を覚まして感謝のうちに祈り、ひたすら祈り続けなさい。3.それと同時に、神が御言葉のために、わたしたちに門を開いてくださり、キリストの奥義を語ることができるように、わたしたちのためにも祈ってください。この奥義のために、わたしは縛られているのです。4.わたしが語るべきことを語って、その奥義をはっきりと示すことができるように祈ってください。5.今の時を最上に用い、外の人々に対し知恵をもって振る舞いなさい。6.いつも、塩で味つけられた優しい言葉を(使いなさい)。そうすれば、あなたがたが一人一人に対し、どう答えるべきかわかるでしょう。
7.わたしに関することはすべて、愛する兄弟であり忠実な奉仕者、主にある僕仲間であるティキコがあなたがたに知らせるでしょう。8.彼をあなたがたのところに送るのは、あなたがたがわたしたちのことを知って、あなたがたの心が励まされるためです。9.あなたがたの仲間である忠実な、愛する兄弟オネシモを一緒に行かせます。彼らはこちらのことをすべて、あなたがたに知らせるでしょう。
10.わたしと一緒に捕らわれの身となっているアリスタルコ、そしてバルナバのいとこのマルコが、あなたがたによろしくと言っています。[このマルコについては、もし彼があなたがたのところに行ったなら、彼を歓迎してあげなさいとの指示を、あなたがたは受けているはずです]。11.ユストと呼ばれているイエスも、あなたがたによろしくと言っています。割礼を受けている人たちの中では、彼らだけが神の国のために共に働く者たちであり、わたしの慰めとなった人たちです。12.あなたがたの仲間で、キリスト・[イエス]の僕であるエパフラスが、あなたがたによろしくと言っています。彼は、あなたがたが充分に成長した者として堅く立ち、神のみこころすべてに確信しているようにと、あなたがたのためにいつも一心に祈っています。13.というのは、わたしは、彼があなたがたとラオディキア、そしてヒエラポリスにいる人々のために非常に労苦していると証言できるからです。14.愛する医者ルカとデマスが、あなたがたによろしくと言っています。
15.ラオディキアにいる兄弟たちに、また、ニンファと彼女の家の教会によろしく。16.この手紙があなたがたのところで読まれたなら、ラオディキアの教会でも読まれるようにしてください。また、ラオディキアから回って来る手紙を、あなたがたのところでも読んでください。17.また、アルキポに、「主にあって受けた務めに心を向け、それをよく果たすように」と伝えてください。 

18.パウロが、自分の手で挨拶を書きます。わたしが獄につながれていることを覚えてください。恵みがあなたがたと共にありますように。


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2017年2月27日月曜日

新約聖書原典「コロサイの人々への手紙」3章の翻訳(私訳)

コロサイの人々への手紙 

3章


1.さて、あなたがたはキリストと共に復活させられたのなら、上にあるものを求めなさい。そこには、神の右に座しておられるキリストがおられます。2.上にあるものを思いなさい。地上のものに心を向けてはなりません。3.あなたがたは死んだので、あなたがたの命はキリストと共に神の内に隠されているのです。4.あなたがたの命であるキリストが現れるとき、あなたがたもキリストと共に栄光の内に現れるでしょう。
5.だから、地上のこれらの肢体、すなわち、姦淫、汚れ、情欲、欲望、悪事、貪欲を殺してしまいなさい。貪欲は偶像礼拝です。6.これらのことのゆえに、神の怒りは[不従順な子らの上に]下ります。7.あなたがたも以前、これららの中で生きていた時は、これらによって歩んでいました。8.しかし今、あなたがたはこれらすべてを、すなわち、怒り、激情、悪意、悪口など、あなたがたの口から出る恥ずべき言葉を捨て去りなさい。9.互いにうそを言ってはいけません。あなたがたは古い人をその行いと共に脱ぎ捨て、10.造り主のかたちにしたがって、新しく造り変えられた新しい人を着て、真の知識に至るようになるのです。11.そこには、もはやギリシア人とユダヤ人、割礼と無割礼、未開の人、スキタイ人、奴隷、自由人の区別はなく、ただ、キリストがすべてであり、すべての内におられるのです。
12.だから、神に選び出された者、聖なる者、また愛されている者として、憐みの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。13.互いに忍び合い、誰かが誰かに責めるべきことがあっても、主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも互いに赦し合いなさい。14.これらすべてのことの上に、愛を身に着けなさい。愛は、(すべてを)完成させる帯です。15.キリストの平和が、あなたがたの心の中を支配するようにしなさい。そうなるように、あなたがたは召されて、一つの体となったのです。いつも感謝していなさい。16.キリストの言葉をあなたがたの内に豊かに宿らせなさい。あらゆる知恵をもって互いに教え、諭しなさい。詩と讃美と霊的な歌をもって感謝して歌い、心から神をほめ讃えなさい。17.そして、あなたのすることはすべて、言葉によるも行いによるも、すべては主イエスの御名によってなし、主イエスを通して父なる神に感謝しなさい。

18.妻たちよ、主にあるものとしてふさわしく、夫に従いなさい。19.夫たちよ、妻を愛しなさい。彼女らに対し、辛く当たってはいけません。20.子供たちよ、すべてについて両親に従いなさい。これは、主に喜ばれることだからです。21.父たちよ、あなたの子供たちを怒らせてはいけません。いじけさせないためです。22.しもべたちよ、すべてについて肉による主人に従いなさい。人に気に入られようとして、うわべだけで仕えるのではなく、主を畏れつつ真心をこめて仕えなさい。23.何事をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から行いなさい。24.あなたがたは、主から御国を受け継ぐという報いを受けることを知っています。あなたがたは、その主キリストに仕えているのです。25.不義を行う者は、不義を行ったことの当然の報いを受け取るでしょう。そこに分け隔てはありません。



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2017年2月22日水曜日

新約聖書原典「コロサイの人々への手紙」2章の翻訳(私訳)

コロサイの人々への手紙 

2章


1.わたしが、あなたがたとラオディキアにいる人々、また直接には面識のないすべての人々のためにどれほど苦闘しているか、あなたがたに知ってもらいたいのです。2.それは、彼らの心が励まされ、愛によって結び合わされて、豊かな理解が十分に得られ、神の奥義であるキリストを知るようになるためです。3.キリストの内には、すべての知恵と知識との富が隠されています。4.わたしがこう言うのは、あなたがたが巧みな言葉によって、だれも欺かれることのないためです。5.たとえ体は離れていても、霊では、わたしはあなたがたと共にいて、あなたがたの秩序正しさと、キリストに対するあなたがたの強固な信仰を見て、喜んでいます。
6.このようにあなたがたは、主なるキリスト・イエスを受け入れたのですから、彼にあって歩きなさい。7.キリストの内に根をはり、建て上げられ、教えられたとおりに信仰が不動のものとされ溢れるばかりに感謝しなさい。
8.哲学や、人間の言い伝えに基づく空しいだましごとによって、誰もそれらのとりこにならないように気をつけなさい。それらは、この世の幼稚な知識に基づくもので、キリストに基づくものではありません。9.キリストの内には、神であることの満ちみちたすべての特質が、目に見える形で宿っており、10.あなたがたも彼にあって満たされているのです。キリストこそ、すべての支配と権威のかしらです。11.あなたがたは、このキリストにあって、人の手によらない割礼、すなわち、肉の体を脱ぎ捨て、キリストによる割礼を受け、12.バプテスマによってキリストと共に葬られ、死者たちの中から彼を復活させた神の力を信じることによって、キリストにあって共に復活させられたのです。13.あなたがたも、かつては罪過の中にあり、肉の割礼がないまま死んでいた者たちでしたが、神はあなたがたをキリストと共に生かし、わたしたちすべての罪過を赦してくださいました。14.神は、わたしたちを責めて、不利に落とし入れてきた証書を、そのもろもろの規定とともに消し去り、これを(わたしたちの)中から取り除き、十字架に釘付けにされました。15.そして、もろもろの支配と権威の武装を解除して大胆にさらしものとし、彼らをキリストにある勝利の凱旋に加えてくださったのです。
16.だから、あなたがたは、食べ物と飲み物において、あるいは、祭りや新月や安息日に関して、だれからも批判されてはいけません。17.これらは来るべきものの影であって、本体はキリストにあります。18.あなたがたは、見せかけの謙遜と天使礼拝を好む誰からも、不利な審判を下されてはなりません。彼は恍惚状態の中で見たことをわけもなく自慢し、その肉の思いによって無意味に誇るだけで、19.(キリストである)かしらに、しっかりとつくことをしないのです。この方によって、体全体は、節ぶしと各筋とによって支えられ、互いに組み合わされて、神により育てられ成長していくのです。

20.あなたがたは、キリストと共に死んでこの世の幼稚な知識から離れたのなら、どうして、この世に生きる者たちのように、21.「触れるな、食べるな、さわるな」などの世の規定に縛られるのですか。22.これらのものは使い切ればみな尽きてしまうもの、人々の定めや教えに基づくものです。23.これらはすべて、ひとりよがりの礼拝と、見せかけの謙遜と、肉体の苦行により、いかにも知恵のあることのように見えますが、肉の欲を満たすことに対しては何の価値もありません。





2017年2月20日月曜日

新約聖書原典「コロサイの人々への手紙」1章の翻訳(私訳)

コロサイの人々への手紙 


1章


1.神の御旨によって、キリスト・イエスの使徒となったパウロと、兄弟テモテから、2.コロサイにいる聖徒たちと、キリストにある忠実な兄弟たちへ。わたしたちの父であられる神から、恵みと平安が、あなたがたにあるように。
3.わたしたちが、いつもあなたがたのために祈る時、わたしたちの主イエス・キリストの父であられる神に感謝しています。4.それはキリスト・イエスにあるあなたがたの信仰と、すべての聖徒たちに対してあなたがたが抱いている愛を聞いたからです。5.(この愛は)、あなたがたのために天に備えられている希望のためであり、この希望については、福音による真理の言葉によって、以前からあなたがたは聞いています。6.あなたがたに届いている福音は、世界のどこでもそうであるように、神の恵みを聞いて本当に理解した日から、あなたがたのところでも同じように実を結び成長しているのです。7.あなたがたが、わたしたちと共に仕えている愛するエパフラスから学んだとおりです。彼は、あなたがたのためのキリストの忠実な奉仕者であって、8.御霊によるあなたがたの愛を、わたしたちに示してくれたのです。
9.こういうわけで、わたしたちがそのことを聞いたその日から、わたしたちが絶えずあなたがたのために祈り求めているのは、あなたがたが、霊的なあらゆる知恵と判断力によって、神の御心を知る知識で満たされ、10.あらゆる点で主を喜ばせるにふさわしいものとして生活し、あらゆる善い行いによって実を結び、神を知る知識において成長し、11.神の栄光ある力にしたがい、そのすべての力によって強められ、すべてのことに、喜びをもって忍耐強く耐え忍び、12.あなたがたを、光の中にいる聖徒たちの分け前にあずかるのに適した者としてくださった御父に感謝する者となるように、ということです。13.この御父は、わたしたちを闇の力から救ってくださり、その愛する御子の支配のもとに移してくださいました。14.この御子によって、わたしたちは贖い、すなわち、罪の赦しを得ているのです。
15.御子は、見えない神の姿であり、すべての被造物より先に生まれた方です。16.なぜなら、天上にあるものも地の上にあるものも、見えるものも見えないものも、王座も主権も、支配も権威も、すべてのものは御子によって創造されたからです。すなわち、万物は御子によって、御子のために創造されたのです。17.御子は、万物よりも先におられ、万物は御子によって成り立っているのです。18.また、御子はその体である教会の頭です。御子は初めの者であり、死者たちの中から最初に生まれた方です。それは、彼がすべてのことにおいて第一の者となるためです。19.神は御子の内に、すべての満ちみちたものを宿らせることを願わしいことと思われ、20.御子によって、すべてのものをご自分に対して和解させ、地の上のものであれ、天にあるものであれ、[御子によって]、その十字架の血によって平和をつくり出してくださいました。
21.あなたがたも以前には、(神から)遠ざけられ、種々の悪い行いにより、心で(神に)敵対していました。22.しかし今では、御子が、その肉の体により、死をとおして、あなたがたを(神と)和解させ、あなたがたを、聖なる者、無傷な者、とがめられることのない者として、神の御前に立たせてくださったのです。23.だから、あなたがたはゆるぎなく、しっかりと信仰にふみとどまり、あなたがたが聞いた福音の望みから離れることがないようにしなさい。この福音は、天の下のすべての造られたものに宣べ伝えられたもので、わたしパウロは、そのために仕える者となったのです。

24.今、わたしは、あなたがたのために苦しむのを喜びとし、キリストの苦しみの不足分を、キリストの体に代わって、わたしの肉体をもって補っているのです。このキリストの体とは、教会のことです。25.わたしは、神の言葉をあなたがたに満たすため、わたしに与えられた神の家令としての務めを果たすために、教会に仕える者となりました。26.世の始めから、また、代々にわたって隠されてきた奥義が、今や、神の聖徒たちに明白にされたのです。27.神は、異邦人たちの間で、この奥義がいかに栄光に富んだものであるかを、聖徒たちに知らせようと望まれました。この奥義とは、あなたがたの内におられるキリストであり、栄光の望みです。28.わたしたちはこのキリストを告げ知らせ、あらゆる知恵をもってあらゆる人を諭し、あらゆる人を教えているのです。それは、わたしたちが、あらゆる人をキリストにあって充分に成長したものとして、(神の)御そばに立たせるためなのです。29.わたしはこのことのために、わたしの内に力強く働くキリストの力によって奮闘しながら働いているのです。




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ὅς ἐστιν εἰκὼν τοῦ θεοῦ τοῦ ἀοράτου,
πρωτότοκος πάσης κτίσεως(15)
『御子は、見えない神の姿であり、すべての被造物より先に生まれた方です』

この聖句は、よく誤解を招く聖句です。ある宗教団体が好んで用いる聖句で、これによってイエスの被創造性を証明しようとし、イエスの神性を否定しようとします。この πρωτότοκος (プロートトコス/長子・first born)が、文字どうり『先に生まれた』ということをパウロが言おうとしているのか、前後の文脈を精読する必要があります。
この πρωτότοκος πάσης κτίσεως(すべての被造物より先に生まれた)という句は通常の「…が生まれた」を意味するものではなく、むしろ、「すべて造られたものより前に(すでに)存在しておられた方」と御子の先在的権威を表すと理解するのが正しいのです。この事は17節によって、一層明確となります。

καὶ αὐτός ἐστιν πρὸ πάντων
καὶ τὰ πάντα ἐν αὐτῷ συνέστηκεν (17)
「彼は万物より前に存在しており、万物は彼によって成り立っている」(17節) 


17節は明らかにパウロが述べる御子に関する一連の説明の中で、15節を補足するものとなっています。つまり17では英語のbe動詞にあたる ἐστιν(彼は~である)のみを使用することによって「彼は万物より先に存在しており、~」と言ったのです。さらに、18節でも、ὅς ἐστιν ἀρχή (彼は初めにおられた方と言い、これはヨハネによる福音書1章の冒頭の「初めに」と同じ言葉を引用して、御子の永遠性を再確認したのです。
以上のように、パウロがコロサイ1章で述べている御子(キリスト)は、時間の概念を超えた永遠の存在者について語っていることに注意を払わなければなりません。
聖句を正しく解釈する場合は、必ず文脈全体の中で、パウロは何を言わんとしているかを正しく理解する必要があります。ついでに、18節でも、πρωτότοκος ἐκ τῶν νεκρῶν(死者たちの中から最初に生まれた方)と、15節と同じπρωτότοκος =『生まれた』、が出てきますが、これが、『生まれた』と文字通り解釈する人はいなく、『死者たちの中から復活された方』と解釈するでしょう。15節も同様で、文字通り『生まれた方』とは解釈しないのです。




2017年2月7日火曜日

新約聖書原典「エフェソの人々への手紙」6章の翻訳(私訳)

エフェソの人々への手紙 

6章


1.子供たちよ、[主にあって]あなたがたの両親に聞き従いなさい。それは正しいことだからです。2.『あなたの父と母を敬いなさい』。これは約束による最初の戒めです。3.『それは、あなたが幸せになり、地の上で末永く生きるようになるためである』。4.また、父たちよ、あなたがたの子供たちを怒らせないで、主の訓練と訓戒によって、子供たちを育てなさい。
5.僕たちよ、キリストに対するように、まごころを込めて、畏れと、おののきをもって、肉による主人に従いなさい。6.人に気に入られようとして、うわべで仕えるのではなく、神の御旨を行うキリストの僕として心から仕えなさい。7.人にではなく、主に仕えるように、善意をもって仕えなさい。8.あなたがたも知っているように、わたしたち、奴隷であれ、自由な者であれ、良いことを行う者はだれでも、主から報われるのです。9.主人たちも、同様に彼らにそうしなさい。脅すのをやめなさい。あなたがたも知っているように、彼らとあなたがたの主は天におられ、だれをも分け隔てなさらない方です。
10.最後に、主にあって、その偉大な力によって強くなりなさい。11.悪魔の悪巧みに対抗して立つことができるように、神の武具を身に着けなさい。12.なぜなら、わたしたちにとっての戦いは、血肉に対するものではなく、支配と、権威と、この闇の世界の主権者、天上にいる悪の霊どもに対する戦いだからです。13.こういうわけで、悪しき日に対抗して立つことができ、またすべてを成し遂げて立つことができるように、神の武具を取りなさい。14.だから、立って、あなたがたの腰を真理によって帯締めし、義の胸当てを着け、15.両足に、平和の福音の備えを履きなさい。16.これらすべてのものの上に、信仰の楯を取りなさい。それによって、悪しき者が(放つ)燃え盛る全ての火の矢を消すことができます。17.また、救いのかぶとをかぶり、神の言葉である御霊の剣を取りなさい。18.どんな時にも、絶えず御霊によって祈りと願いとをささげ、目をさましているようにして、あらゆる忍耐と願いとをもって、すべての聖徒たちのために祈り続けなさい。19.わたしのためにも、わたしに言葉が与えられ、わたしの口が開かれて、福音の奥義を大胆に知らせることができるように祈ってください。20.この福音のために、わたしは鎖につながれながらも、使者として働いています。そのような中でも、わたしが語るべきことを大胆に語れるように祈ってください。
21.わたしが何をしているか、わたしに関することをあなたがたにも知ってもらうために、主にある、愛する兄弟であり忠実な奉仕者であるティキコが、すべてのことをあなたがたに知らせてくれるでしょう。22.わたしが彼をあなたがたのもとに送るのは、あなたがたがわたしたちのことを知って、あなたがたの心が勇気づけられるためです。

23.平和と信仰に伴う愛が、父であられる神と、主イエス・キリストから、兄弟たちにありますように。24.恵みが、わたしたちの主イエス・キリストを変わらずに愛するすべての人々と共にありますように。


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★「神の武具」=武具(パノプリア)は、全武具、重装備、つまり、完全武装しなさいという意味。


2017年2月3日金曜日

新約聖書原典「エフェソの人々への手紙」5章の翻訳(私訳)

エフェソの人々への手紙 

5章


1.ですから、(神に)愛されている子供らしく、神に倣う者となりなさい。2.愛によって歩きなさい。キリストもわたしたちを愛してくださって、わたしたちのためにご自身を神への供え物、いけにえとしてささげられ、芳しい香りとなってくださったように。
3.聖徒としてふさわしく、あらゆるみだらなこと、汚れたこと、貪欲なことを、あなたがたの間で口にしてはいけません。4.また、恥ずべき話、愚かな話、または、ふさわしくない下品な冗談も口にしてはいけません。それよりも、感謝をもっと表しなさい。5.このことを知っていなさい。すなわち、すべてみだらな者、汚れた者、貪欲な者、偶像を拝む者は、キリストと神の国を受け継ぐことができません。6.空しい言葉に、だれもだまされてはいけません。これらのことによって、神の怒りが不従順の子らの上に下るからです。7.だから、彼らの仲間となってはいけません。8.あなたがたは、かつては闇でしたが、今は主にあって光となっているのです。光の子らしく歩きなさい。9.光の結果は、すべてにおいて善であり、義であり、真実です。10.何が主に喜ばれることであるか、考えなさい。11.実を結ばない闇の業に加わらないで、むしろ、それをとがめなさい。12.彼らによって、ひそかに行われていることは、言うのも恥ずかしいことだからです。13.しかし、光によって暴かれるとき、すべてのことが明らかにされます。14.明らかにされることはみな、光だからです。だから、こう言われています。
『眠っている者は、目覚めよ。
死者たちの中から起き上がれ。
キリストがあなたを照らされるであろう。』
15.だから、あなたがたは愚か者のようにではなく、賢い者として歩いているかどうか、よく考えてみなさい。16.今の時を最善に用いなさい。今は悪い時代だからです。17.それゆえ、愚かな者にならないで、何が主の御旨であるか悟りなさい。18.酒に酔ってはいけません。酒は身を持ち崩します。むしろ、御霊で満たされなさい。19.詩と讃美と霊の歌をもって語り合い、主に対して心から讃美の歌を歌いなさい。20.すべてのことについて、わたしたちの主、イエス・キリストの名によって、いつも、父でもある神に感謝しなさい。21.キリストに対する畏れをもって、互いに従い合いなさい。
22.妻たちよ、主に従うように、自分の夫に従いなさい。23.なぜなら、キリストが教会のかしらであって、ご自身がその体の救い主であられるように、男は女のかしらだからです。24.教会がキリストに従うように、妻たちもすべてにおいて夫に従いなさい。

25.夫たちよ、キリストが教会を愛して、ご自身を教会のためにささげられたように、妻を愛しなさい。26.(キリストがそうされたのは)言葉により、水で洗うことによって、教会を清めて聖とするためであり、27.このキリストご自身が、しみも、しわも、それらのたぐいのものが一切なく、聖なる欠点のない栄光に満ちた教会をご自分のもとに置くためなのです。28.このように、夫たちも、自分の妻を自分の体のように愛すべきです。自分の妻を愛する者は、自分自身を愛するのです。29.自分の体を憎んだ者はいまだかつて誰もいません。むしろ、キリストが教会を愛されたように、それを養い育むのです。30.なぜなら、わたしたちはキリストの体の一部だからです。31.『それゆえに、人は父と母を離れ、その妻と結び合わされ、二人の者は一体となるであろう』。32.この奥義は重要です。わたしは、キリストと教会とをさして言っているのです。33.ただ、いずれにしても、あなたがた一人ひとりは、それぞれ自分の妻を、自分を愛するように愛しなさい。妻も夫を敬いなさい。




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★「酒は身を持ち崩します」(18)
 上記の訳の「身を持ち崩す」の部分の直訳は「救い難いこと」。

★「いずれにしても、あなた方一人ひとりは、それぞれ自分の妻を、自分を愛するように愛しなさい。妻も夫を敬いなさい」(33)の最後の「妻も夫を敬いなさい」は原典では、『妻が夫を尊敬できるように』と接続法(仮定)が使われている。したがって、直訳すれば、『さらにあなたがたも、それぞれ、妻が夫を尊敬できるように、自分の妻を自分のように愛しなさい』である。夫にとっては厳しい内容となっている。