2017年4月4日火曜日

新約聖書原典「ヘブライの人々への手紙」3章の翻訳(私訳)

ヘブライの人々への手紙 

3章


1.それですから、天の召しにあずかっている聖なる兄弟たちよ、わたしたちが告白する使者であり、また大祭司であられるイエスのことをよく考えなさい。2.モーセが神の家の[全体]において忠実であったように、彼は、ご自分を任命された方に忠実であられました。3.家を建てた人が、家そのものよりもさらに大きな栄誉を受けるように、彼はモーセよりさらに大きな栄光を受けるにふさわしいものとされたのです。4.すべて、家はだれかによって建てられます。しかし、すべてのものを建てられた方は神です。5.モーセは、将来、語られることになっていることを証しするために、仕える者として、神の家全体において忠実でありましたが、6.キリストは、子として、神の家に忠実であられました。もし、わたしたちが、望みの確信と誇りをしっかりと持ち続け[さえ]するなら、わたしたちは神の家なのです。
7.ですから、聖霊がこう言っているとおりです。
『もし、今日、あなたがたが御声を聞いたなら、
8.荒野における試練の日に、
反抗した時のように、
あなたがたの心を、かたくなにしてはならない。
9.あなたがたの先祖たちは
その荒野で(わたしを)試み、ためし、
四十年の間、わたしの業を見た。
10.それゆえ、わたしはこの時代の人々に対して憤って言った。
彼らはいつも心が迷わされ、
彼らはわたしの道を悟らなかった。
11.それゆえ、わたしは怒って、
彼らがわたしの安息に入ることは、決してないと誓った。』
12.兄弟たちよ、あなたがたのうちの誰も、不信仰な悪い心を抱いて、生ける神から離れてしまうことがないように注意しなさい。13.むしろ、あなたがたのうちの誰も、罪のだましごとによってかたくなにならないよう、「今日」という内に、日々、互いに励まし合いなさい。14.もしほんとうに、最初の確信を最後までしっかりと持ち続けるならば、わたしたちはキリストに共にあずかる者となるからです。15.それについては、こう言われています。
『今日、あなたがたが、神の御声を聞いたなら、
反抗した時のように、
あなたがたの心を、かたくなにしてはならない。』

16.ではいったい、聞いたのに反抗したのは誰でしょうか。モーセに率いられてエジプトを出た全ての人々ではなかったでしょうか。17.では、神は、誰に対して四十年の間、憤られたのでしょうか。罪を犯して、それらの死体を荒野にさらした者たちに対してではなかったでしょうか。18.では、だれに対して、ご自分の安息に入らせることはしないと、誓われたのでしょうか。従わなかった者たちに対してではなかったでしょうか。19.こうして、彼らが(安息に)入ることができなかったのは、不信仰のためであったということがわかります。


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★『休息』κατάπαυσίν(11)
κατάπαυσίνは、安息、休息の意。11節は申命記12:9からの引用。申命記のこの箇所でもκατάπαυσίν(七十人訳)が使われているが、そこでは口語訳は「安息の地」、新共同訳は「安住の地」と訳している。この「安息」という言葉は、カナン定住によってイスラエルの民が得られることになっていた休息を意味したからである。







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