2017年4月4日火曜日

新約聖書原典「ヘブライの人々への手紙」4章の翻訳(私訳)


ヘブライの人々への手紙 

4章


1.それですから、神の安息に入る約束がまだ残されているにもかかわらず、それを取り逃したと思える者があなたがたの中から誰も出ないように、わたしたちは畏れかしこみましょう。2.というのは、わたしたちも、かの人々と同じように福音が告げ知らされている者たちだからです。しかし、聞いた言葉は、かの人々には役に立ちませんでした。聞いた彼らと信仰とが結び付かなかったからです。3.もちろん、わたしたち信じた者たちは、[その]安息に入ることができます。
『それゆえ、わたしは怒って、
彼らがわたしの安息に入ることは、決してないと誓った』
と言われているとおりです。とは言え、御業は、世界の基礎が据えられた時から成立していました。4.というのは、第七日目について、(聖書の)ある個所で、『神は第七日目に、そのすべてのわざを終えて休まれた』と、このように言われており、5.また、ここでも再び、『彼らがわたしの安息に入ることは、決してない』と言われているのです。6.そこで、もしそうであれば、ある人々には、安息に入る機会が残されているわけです。最初に福音を告げ知らされた人々は、不従順のために入れなかったのです。7.それで、もう一度、神は、ある日を「今日」と定め、かなりの長い時を経て、先にも言ったように、
『今日、神の御声を聞いたなら、
あなたがたの心をかたくなにしてはならない』
と、ダヴィデによって言われたのです。
8.もし、ヨシュアが彼等に安息を与えたとすれば、神は後になって、それ以外の日について語られたはずはありません。9.それゆえに、安息日の休みが神の民に残されているのです。10.なぜなら、神の安息に入った者は、神がその業を終えて休まれたように、彼も自分の業を終えて休んだのでした。11.ですから、わたしたちは、その安息に入るように努力しようではありませんか。そうでないと、同じ不従順の例にならって、落ちて行く者が出るかもしれないのです。12.神の言葉は生きていて力があり、どんな両刃の剣よりも鋭く、精神と霊、関節と骨髄をも切り離すまでに刺し通し、心の思いと考えを見抜くのです。13.また、神の御前に見えない被造物は何もなく、すべてのものは神の目には裸であり、さらけ出されているのです。この神に対して、わたしたちは弁明をしなければなりません。

14.こういうわけで、わたしたちには、もろもろの天を通って行かれた大いなる大祭司、神の子イエスがおられるのですから、わたしたちが告白する信仰をしっかり保とうではありませんか。15.わたしたちのためにおられる大祭司は、わたしたちの弱さに同情できない方ではなく、罪以外は、すべてに於いて、わたしたちと同じように試練にあわれたのです。16.ですから、わたしたちは、憐れみと恵みを受け、時宜にかなった助けを獲得するために、大胆に恵みの御座に近づこうではありませんか。


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●「自然の中で聴く聖書」ヘブライの人々への手紙 4章


ἄρα ἀπολείπεται σαββατισμὸς τῷ λαῷ τοῦ θεοῦ.(9)
『それゆえに、安息日の休みが神の民に残されている』

σαββατισμὸς (サバティスモス)は「安息日の休み」「安息日を守ること」の意。
その他、4章の「安息」と訳される原語はすべてκατάπαυσίν(カタパウシン)で、
解説は3章11節を参照。


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