2016年6月8日水曜日

新約聖書原典「テサロニケの人々への手紙一」4章の翻訳(私訳)

テサロニケの人々への手紙  

4章


1.さて、最後に、兄弟たちよ、主イエスあってあなたがたにお願いし、また勧めます。すなわち、あなたがたがどのように生活し神に喜んでいただくべきか、あなたがたがわたしたちから受け継いだように、あなたがたは現にそのように生活していますが、なお一層そうしてください。2.わたしたちが主イエスによってどんな命令をあなたがたに与えたか、あなたがたは知っているはずですから。
3.神のみこころは、あなたがたが聖となることです。あなたがたは不品行を避け、4.それぞれ自分のからだを、きよく尊く保ち、5.神を知らない異邦人たちのように情欲におぼれず、6.このような行為で自分の兄弟を侵害したり欺いたりしてはいけません。なぜならば、前にもあなたがたに言って厳しく警告しておいたように、主は、これらすべてのことについて報復なさる方だからです。7.神はわたしたちを汚れた行いをするように召されたのではなく、きよい行いをするように召されたのです。8.だから、これを拒む者は人を拒むのではなく、あなたがたにご自分の聖なる霊をお与えになる神を拒むのです。
9.しかし、兄弟愛についてはあなたがたに書く必要はないでしょう。あなたがた自身、互いに愛し合うように、神から教えられているからです。10.また、そのことを、あなたがたは全マケドニアにいるすべての兄弟たちに対して実行しているからです。しかし、兄弟たちよ、あなたがたに勧めます。なお一層、そのことを実行してください。11.また、わたしたちがあなたがたに命じておいたように、落ち着いた生活をして自分の務めを熱心に行い、[自分の]手で働きなさい。12.それは、あなたがたが外の人々に対して上品に生活し、だれの世話をも必要としないでいられるためです。

13.兄弟たちよ、眠りについている人々に関しては、あなたがたに無知でいてほしくはありません。それは、希望を持たない他の人々のように、あなたがたが悲しむことのないためです。14.イエスが死んで甦られたとわたしたちが信じるなら、同様に、神はイエスのゆえに眠りについた人々を、イエスと共に導き出してくださるでしょう。15.わたしたちは主の言葉によって、このことをあなたがたに言います。すなわち、生きて主の来臨まで残るわたしたちが、眠りについている人々より先になることは決してありません。16.すなわち、主ご自身が、号令と、天使の長の声と、神のラッパの(鳴り響く)中で、天から下って来られます。それから、キリストにあって死んだ人々が最初に復活し、17.つぎに、生き残っているわたしたちが彼らと共に同時に、雲にさらわれ、主に会うために空中に(引き上げられます)。こうして、わたしたちはいつも主と共にいることになるのです。18.だから、あなたがたはこれらの言葉をもって互いに励まし合いなさい。

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●「自然の中で聴く聖書」Ⅰ テサロニケの人々への手紙 4章



εἰδέναι ἕκαστον ὑμῶν τὸ ἑαυτοῦ σκεῦος κτᾶσθαι ἐν ἁγιασμῷ καὶ τιμῇ(4)

4節の翻訳はτὸ ἑαυτοῦ σκεῦος をどのように訳すかで全体の意味合いも変わってくる。上記のわたしの訳では「自分のからだ」と訳したが、新共同訳ではここを「妻と生活し」(直訳だと、『自分の妻を得る』『自分の妻を知る』)と訳しているが、両方訳し得る。ゆえに上記の翻訳以外に、次のように訳すことが可能。
「あなたがた各自は、清さと尊厳とによって自分の妻を得る(知る)ことをわきまえ」。
要は、男女間の不品行を戒め、結婚生活は本来、神聖であるべきことを説いているのであろう。
3節の「不品行」も、男女間の性的不品行を意味している。

★「雲にさらわれ、主に会うために空中に引き上げられます」(17)
は、直訳では、「主に会うために雲にさらわれ」である。


               散歩道の風景⑤

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