2014年5月13日火曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」16章の翻訳(私訳)


ヨハネの黙示録 

16章


1.また、わたしは聖所から、七人の天使たちに語りかける大きな声を聞いた。「行って、神の怒りの七つの鉢を地に注ぎなさい」。
2.最初の天使が行って、その鉢を地に注いだ。すると、獣の刻印を受けた人々と、その像を礼拝する人々の上に、有害で悪性のできものができた。
3.また、第二の天使が、その鉢を海に注いだ。すると、海は死人の血のようになった。そして、海の中のすべての生き物が死んでしまった。
4.第三の天使が、その鉢を川と水源に注いだ。すると、それが血になった。5.またわたしは、水を支配する天使が、こう言うのを聞いた。
「今おられ、かつてもおられた方。あなたこそ正しく、聖なる方です。あなたがこれらのことを裁いてくださったからです。
6.彼らが聖徒たちと預言者たちの血を流したので、彼らに血を飲ませられたのは、ふさわしいことです。」
7.またわたしは、祭壇がこう言うのを聞いた。
「そうです、全能者であられる神、主よ、
あなたの裁きは真実で正しい。」
8.第四の天使が、その鉢を太陽の上に注いだ。すると太陽に、人々を火で焼くことが許された。9.人々は激しい熱で焼かれ、これらの災害をつかさどる権威を持つ神の名を汚し、悔い改めて神に栄光を帰すことをしなかった。
10.第五の天使が、その鉢を獣の座の上に注いだ。すると、獣の国は暗くなり、人々は苦しみ悶えながら自分たちの舌をかんだ。11.そして彼らは、自分たちの苦しみとできもののゆえに天の神を冒涜し、自分たちの行いを離れて悔い改めることをしなかった。
12.第六の天使が、その鉢を大河ユーフラテスの上に注いだ。すると川の水が干上がってしまった。それは、日が上る方から(来る)王たちに道を備えるためであった。13.またわたしは、竜の口から、獣の口から、偽預言者の口から、カエルのような三つの汚れた霊が出てくるのを見た。14.これらは、不思議を行う悪霊どもの霊であって、全能者であられる神の大いなる日の戦いに備えて、全世界の王たちを集めるために彼らのところへ出て行った。15.「見よ、わたしは盗人のように来る。裸で歩いて自分の恥を見られないために、目を覚まし、衣を身につけている人は幸いである」。16.汚れた霊どもは、ヘブライ語でハルマゲドンと呼ばれる所に王たちを集めた。

17.第七の天使が、その鉢を空中に注いだ。すると、大きな声が聖所から御座から出て、「事は成就した」と言った。18.すると、数々の稲妻と音と雷鳴が発生し、大きな地震が起きた。それは、人間が地上に現れて以来、かつてなかったほどの大地震であった。19.大きな都が三つに裂かれ、諸国の町々は倒れてしまった。また、大いなるバビロンは神の御前に記憶されて、これに神の激しい怒りのぶどう酒の杯が与えられた。20.また、島はすべて消え去り、山も見えなくなってしまった。21.また、一タラントンほどの大きな雹が、天から人々の上に降って来た。人々は雹で害されたので、神をののしった。その害が非常に大きかったからである。



●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 16章


★16章の七人の天使による七つの災害は、獣の刻印を受けた者たちと、獣の像を礼拝する者たちに向けられている(2)。またこの災害が、神の聖徒たちと預言者たちの血を流したことへの報復(裁き)であることが語られている(3~5)。

ἐκ τοῦ στόματος τοῦ δράκοντος καὶ ἐκ τοῦ στόματος τοῦ θηρίου καὶ ἐκ τοῦ στόματος τοῦ ψευδοπροφήτου (13)
「竜の口から、獣の口から、偽預言者の口から」

竜、獣、偽預言者はいずれも単数となっている。これに続く「蛙のような三つの汚れた霊」は複数。ゆえに、竜、獣、偽預言者のそれぞれの口から出た汚れた霊は、それぞれ異なる三種類の霊であることがわかる。




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