2014年5月26日月曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」19章の翻訳(私訳)


ヨハネの黙示録 

19章


1.その後、わたしは天に於いて、大勢の群衆の大きな声のようなものが、こう言うのを聞いた。
「ハレルヤ、わたしたちの神の救いと栄光と力とは。
2.その裁きは真実で正しい。
神は姦淫で地を堕落させた大淫婦を裁かれ、
ご自分の僕たちの血の報復を彼女に対して行われたからである。」
3.二度目に彼らは言った。
「ハレルヤ、彼女の煙はいつまでも限りなく立ちのぼる。」
4.また、二十四人の長老たちと四つの生き物たちはひれ伏し、御座に座しておられる神を礼拝して言った。
「アーメン、ハレルヤ。」
5.また御座から声が出て言った。
「わたしたちの神をほめたたえよ。
神のすべての僕たちよ、神を畏れる者たちよ、
小さな者たち、大きな者たちよ。」
6.わたしはまた、大勢の群衆の声のような、また、大水の音のような、激しい雷鳴のような声が、こう言うのを聞いた。
「ハレルヤ、全能者で、わたしたちの神であられる主は王となられた。
7.喜ぼう、大いに喜ぼう、神に栄光を帰そう。
小羊の婚姻の時が来て、小羊の花嫁は用意を整えたからである。
8.花嫁には、身につけるための輝かしい清い亜麻布の衣が与えられた。
この亜麻布の衣とは、聖なる者たちの義しい行いである。」
9.その声はまた、わたしに言った。「書き記せ。小羊の婚姻の晩餐に招かれている者たちは幸いだ」。またわたしに言った。「これらは、神の真実の言葉である」。10.わたしがその方を拝もうとして、その足元にひれ伏すと、その方がわたしに言った。「いけない。わたしは、あなたの兄弟たち、すなわちイエスの証しを持つ人々と同じ僕仲間である。神を拝しなさい。イエスの証しとは、預言の霊である」。
11.わたしはまた、開かれている天を見た。すると見よ、白い馬と、それに乗っている方があった。その方は忠実、また真実と[呼ばれ]、義をもって裁き、また戦われる。12.その方の目は火の炎のようで、その頭には多くの冠をかぶり、そこには、その方のほかには誰にもわからない名が書かれていた。13.また、血に浸された衣を着ておられ、その方の名は、神のことばと呼ばれている。
14.そして、天では、白く清い亜麻布を着た軍勢が、白い馬に乗ってその方に従っていた。15.その方の口からは、鋭い剣が出ていた。その剣によって諸国の民を撃つためである。『彼は鉄の杖をもって彼らを治めるであろう。』また、その方は、全能の神の激しい怒りのぶどう酒の酒ぶねを踏まれる。16.その方の衣の上にも、ももの上にも、「王たちの王、主たちの主」と、名が書かれていた。
17.わたしはまた、一人の天使が太陽の中に立っているのを見た。この天使は、中空を飛んでいるすべての鳥たちに、大声で叫んで、こう言った。「さあ、神の大宴会に集まれ。18.王たちの肉、千人隊長たちの肉、力ある者たちの肉、馬たちと、それに乗る者たちの肉、すべての自由人たちと奴隷たちの肉、小さな者たちと、大きな者たちの肉を食らうために」。

19.わたしはまた、獣と地の王たちとそれらの軍勢が、馬に乗っておられる方と、その方の軍勢に対して戦いをするために召集されるのを見た。20.しかし、獣は捕らえられ、また、獣の前でしるしを行った偽預言者も共に捕らえられた。彼らは、しるしを行うことによって、獣の刻印を受けた者たちと、その像を拝む者たちとを惑わしたのである。両者は、生きたまま硫黄の燃える火の池に投げ込まれた。21.あとの者たちは、馬に乗った方の口から出ている剣によって殺され、すべての鳥たちが、彼らの肉を飽きるほど食べた。



●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 19章


ἀληθιναὶ καὶ δίκαιαι αἱ κρίσεις αὐτοῦ (2)
「彼の裁きは真実で正しい」

αἱ κρίσεις αὐτοῦ 「彼の裁き」の裁きは、複数形が使われている。これは神の裁きが「大淫婦」(2)をはじめ、「偽預言者」(20)、「獣の刻印を受け、獣の像を拝む」あらゆる人々(20)に及ぶことを示していると思われる。

ἡ γὰρ μαρτυρία Ἰησοῦ ἐστιν τὸ πνεῦμα τῆς προφητείας(10)
「イエスの証しとは、預言の霊です」

「イエスの証し」という言葉は黙示録1章2節で現れた「イエス・キリストの証し」と同じ使い方がされている(属格使用)。イエスに属する証し、イエスが語られ示された証し。
「預言の霊」は、「預言」も「霊」も単数。「霊」は神の霊、聖霊などをあらわすと同じτὸ πνεῦμα が使われている。




0 件のコメント:

コメントを投稿