ヘブライの人々への手紙
1章
1.昔、神はいろいろな機会に、いろいろな方法で、預言者たちによって先祖たちに語られましたが、2.この終わりの時代には、御子によってわたしたちに語られました。神は、この御子を全てのものの相続者と定め、御子によってこの世を造られました。
3.御子は神の栄光の輝き、神の本質の真のかたちであり、万物をご自分の力ある言葉によって生じさせ、罪の清めを行い、天の高い所において大能者の右の座につかれました。4.彼はそれほど天使たちより優った者となられたので、彼らの名より優った名を受け継がれました。5.いったい、神は、天使たちの誰に、
『あなたはわたしの子、
今日、わたしはあなたを生んだ』
と言い、また、
『わたしは彼の父となり、
彼はわたしの子となるであろう』
と言われたでしょうか。
6.さらに、神は、長子をこの世界に送るとき、
『神の天使たちはみな、彼を礼拝せよ』
と言われました。
7.また、一方で、天使たちに対しては、
『神はご自分の天使たちを風とし、
ご自分に仕える者たちを火の炎とされる』
と言われ、
8.他方で、御子に対しては、
『神よ、あなたの玉座は世々限りなく続き、
あなたの支配の杖は、公正の杖。
9.あなたは義を愛し、不法を憎まれた。
それゆえ、神よ、あなたの神は、溢れるばかりの喜びの油を、あなたの仲間たちに注ぐよりも多くあなたに注がれた』
と言われました。
10.また、こうも言われています。
『主よ、あなたは、はじめに地の基を据えられた。
もろもろの天は、あなたの御手の業。
11.これらのものはやがて滅びる。
しかし、あなたはいつまでもとどまる。
すべては衣のように古くなる。
12.あなたは、これらを外套のように巻かれるので、
これらは衣のように変わる。
しかし、あなた自身は変わることなく、
あなたの年は尽きることがない』と。
13.では、かつて、天使たちの誰に対して、
『あなたの敵たちを、あなたの足台に置くまで、
わたしの右に座していなさい』
と言われたでしょうか。
14.天使たちはみな、仕える霊であって、救いを受け継ぐことになっている者たちに奉仕するため遣わされている者たちではないでしょうか。
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●「自然の中で聴く聖書」ヘブライの人々への手紙 1章の朗読
https://www.youtube.com/watch?v=0HegsqtwSMM
ὃς ὢν ἀπαύγασμα τῆς δόξης καὶ χαρακτὴρ τῆς ὑποστάσεως αὐτοῦ,
φέρων τε τὰ πάντα τῷ ῥήματι τῆς δυνάμεως αὐτοῦ,(1:3前半)
ἀπαύγασμα は「輝き」のほか「反映」という意味があり、「御子は、神の栄光の反映であり」とも訳せる。また、ὑποστάσεως は「本質」のほか「実体」の意味がある。ゆえに
「御子は、神の栄光の反映、神の実体の真のかたちであり」とも訳すことができる。
なお、φέρων(フェローン)は「生じる」「生み出す」「もたらす」のほか「担う」「運ぶ」「携える」などの意味もあり、「ご自分の力ある言葉によって、万物を担い」とも訳し得る。しかし本訳では「ご自分の力ある言葉によって、万物を生じさせ」とした。それは、「御子によってこの世を造られました」(2節)や、「もろもろの天は、あなたの御手の業」(10)の文脈に沿うからである。多くの他の訳では「ご自分の力ある言葉によって保ち」と訳しているのは、φέρωνが現在、分詞形であることから、現在の継続的意味を持たせるためであると思われる。
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