2016年7月21日木曜日

新約聖書原典「テモテへの手紙一」6章の翻訳(私訳)

テモテへの手紙  

6章


1.くびきの下にある奴隷はみな、自分の主人を、大いに尊敬に値すべきものと思いなさい。それは、神の御名と教えが汚されないためです。2.信者の主人を持つ奴隷は、(信仰における)兄弟だからということで、軽んじてはいけません。むしろ、いっそう熱心に仕えなさい。なぜなら、その良い働きによって益を受ける主人たちは、信者であり愛されている者たちなのですから。
あなたはこれらのことを教え勧めなさい。3.もし、異なる教えを説き、わたしたちの主イエス・キリストの健全な言葉と、敬虔に基づく教えに同意しない者がいれば、4.その人は高慢になっていて、何も分かっていないのです。むしろ議論や論争の病にかかっていて、そこから、ねたみ、争い、悪口、悪い憶測、5.絶え間ない口論が生じるのです。心を腐らせた人たち、また真理が奪い取られた人たちは、敬虔は利益を得るための手段であると考えます。
6.もっとも、満足を伴う敬虔は、大きな利益を得る手段でもあります。
7.わたしたちは何も持たずにこの世に来たので、何も持たないでこの世を去ることしかできないのです。
8.食べる物と着る物があれば、それで足りるとすべきです。
9.富むことを望んでいる人々は、誘惑と、罠と、愚かで有害なさまざまな欲望に陥ります。それらが、人々を破滅と滅びに沈めるのです。10.金銭を愛することは、すべての悪の根です。ある人々はそれを追い求めたため、信仰から迷い出て、自分自身をひどい苦しみで刺し通したのです。
11.しかし、おお、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。そして、義、敬虔、信仰、愛、忍耐、柔和を熱心に追い求めなさい。
12.信仰の戦いを立派に戦い続け、永遠の命を獲得しなさい。そうするようにとあなたは召され、多くの証人たちの前で立派な告白を表明したのです。
13.万物に生命をお与えになる神と、ポンティオ・ピラトの面前で立派な告白を証しなされたキリスト・イエスの御前で、[あなたに]命じます。14.わたしたちの主イエス・キリストが来られる時まで、あなたはこの命令を、汚れに染まらず、非難されないように守りなさい。15.この出現を、神はご自分の定められた時に示してくださいます。
神は、祝福に満ちた唯一の力ある方、
王の王、主の主、
16.唯一、不死を持たれ、
近づき難い光の中に住み、
だれもその方を見た者がなく、
見ることもできないお方です。
この神に、誉れと限りなき支配とがありますように、アーメン。
17.この世で今、富んでいる人々に対しては、思い上がることなく、頼りにならない富に望みを置くのではなく、わたしたちにすべてのものを豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くようにと命じなさい。18.善を行い、良い業に富み、惜しみなく施し、喜んで人に分け与え、19.真の命を得るために、未来に備えて、自分たちのために良い土台を築くようにと。

20.おお、テモテよ、(あなたに)委ねられているものを守りなさい。世俗的なむだ話と、『知恵』だと偽って呼ばれている反対論とを避けなさい。21.反対論を主張しているある人々は、信仰の道を踏み外してしまいました。恵みがあなたがたと共にありますように。




★「『知恵』だと偽り呼ばれている反対論を避けなさい」(20)
当時、教会の中にはびこりつつあった『グノーシス派』の異端を避けるようにとの意味。




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