2016年8月22日月曜日

新約聖書原典「テモテへの手紙二」4章の翻訳(私訳)

テモテへの手紙  

4章


1.神と、生きている者たちと死んだ者たちを裁こうとしておられるキリスト・イエスの御前で、その出現とその御国を(思い)、わたしはおごそかに命じます。2.御言葉を宣べ伝えなさい。時がよくても悪くてもそれを励みなさい。あらゆる忍耐と教えとによって、とがめ、戒め、勧めなさい。3.人々は健全な教えに耐えられなくなり、自分たちの欲望どおりに、自分たちにとって耳ざわりの良い教師たちを寄せ集め、4.真理から耳をそむけ、作り話の方にそれて行く時が来るでしょう。5.しかし、あなたはすべてのことに慎み、苦難に耐え、伝道者の業をなし、あなたの務めを成し遂げなさい。
6.わたしは、すでに自身を犠牲としてささげています。わたしの、世を去る時が近づいています。7.わたしは良い競走を戦い抜き、一生の行程を走りつくし、信仰を守り通しました。8.あとは、義の冠がわたしに備えられているだけです。その日、主がそれをわたしに授けてくださるでしょう。正しい審判者は、わたしだけでなく、主の出現を熱望するすべての人々にも授けてくださるでしょう。
9.急いですぐ、わたしのところに来てください。10.デマスは今のこの世を愛し、わたしを残してテサロニケに行ってしまいクレスケンスはガラテヤに、テトスはダルマティアに行ったからです。11.ルカだけがわたしと一緒にいます。マルコを一緒に連れて来てください。彼は、わたしの務めに役に立ちますから。12.わたしはティキコをエフェソに遣わしました。13.あなたが来るとき、わたしがトロアスのカルポのところに残してきた外套を持って来てください。巻物も、特に羊皮紙のものを持って来てください。14.青銅職人のアレクサンドロがわたしを大いに苦しめました。主がその業に従って、彼に報いられるでしょう。15.あなたも彼には警戒しなさい。彼はわたしたちの言うことに激しく逆らったからです。16.わたしの最初の弁明の際には、わたしの傍らにいる者はなく、皆がわたしを見捨て去ってしまいました。彼らがそういう人々だとみなされませんように。17.しかし、主がわたしと共におられて、わたしを力づけてくださいました。それは、わたしを通してこの使信が完全に遂行され、異邦人がみなこの使信を聞くようになるためです。わたしはライオンの口からも救出されたのです。18.主は、これからも、すべての悪の業からわたしを救い出し、主の天の御国に救ってくださるでしょう。その主に、栄光がとこしえにありますように。アーメン。
19.プリスカとアキラ、そして、オネシフォロの家族によろしくと伝えてください。20.エラストはコリントにとどまりました。しかし、わたしはトロフィモを病気のためミレトスに残してきました。21.冬の前に来られるように努力してください。エウブロ、プデンス、リノス、クラウディア、それとすべての兄弟たちが、あなたによろしくと言っています。

22.主が、あなたの霊と共におられますように。恵みがあなたがたと共にありますように。





Ἐγὼ γὰρ ἤδη σπένδομαι(6)
「わたしは、すでに自身を犠牲としてささげています」

σπένδομαι の本来の意味は、「神の祭壇に血をそそぐ」である。なので、6節は「自分の血を祭壇に犠牲として注ぎ出しています」という意味になる。動詞の形は現在形、中動態であるから『自分の血を自らから犠牲として注ぎ出しています』という意味になる。

★「デマスは今のこの世を愛し、わたしを残して、テサロニケに行ってしまい…」(10)
「残して」は「見捨て」とも訳される。「行ってしまい」はἐπορεύθη。ゆえに、「デマスは今のこの世を愛し、わたしを見捨て、(自分から)テサロニケに行った」という意味になる。デマスはこの世を愛する欲望から、そのような行動をとったことが想像される。


                 
                 夏の日の夕暮

0 件のコメント:

コメントを投稿