2015年10月13日火曜日

新約聖書原典「コリントの人々への手紙一」14章の翻訳(私訳)


コリントの人々への手紙  

14章


1.愛を追い求めなさい。しかし、預言をするために、霊の賜物をさらに熱心に求めなさい。2.異言で語る人は、人々に語るのではなく神に語るのです。それはだれにも理解できません。霊によって神秘を語っているからです。3.しかし、預言する人は、人々を建て上げ、励まし、慰めるために、人々に対して語ります。4.異言で語る人は、自分自身を建て上げますが、預言する人は教会を(霊的に)建て上げます。5.わたしは、あなたがた全員に異言を語ってほしいのですが、それ以上に、もっと預言をしてほしいのです。異言を語る人が、教会を霊的に建て上げるためにそれを解釈するのでなければ、それより預言する人の方が優れています。
6.ですから、兄弟たちよ、もし、わたしがあなたがたの所に行って異言で語るとしても、啓示か、知識か、預言か、教えかによって語らなければ、あなたがたに何の益があるでしょうか。7.同様に、命のない物が音を出す場合、それが笛であれ竪琴であれ、音に違いを出さなければ、どうして、笛を吹く音と竪琴を弾く音を聞き分けることができるでしょうか。8.また、もし、ラッパが不明瞭な音を出したら、だれが戦いに備えることができるでしょうか。9.このように、あなたがたも、わかりやすい言葉ではなく、異言によって語ったとしたら、どうして人はその語られたことを理解することができるでしょうか。それは空に向かって語ることになるからです。10.あるいは、世界にどれほど多くの種類の言葉があろうとも、発音できない言葉はありません。11.ですから、言葉の意味がわからなければ、話す人にとってわたしは異国人でしょうし、わたしにとってもその話している人は異国人ということになります。12.このように、あなたがたも霊の賜物を熱心に求める人たちですから、教会を霊的に建て上げるために、それが増し加えられるように熱心に求め続けなさい。
13.ですから、異言で語る人は、解き明かすことができるように祈りなさい。14.もし、わたしが異言で祈るなら、わたしの霊は祈りますが、わたしの知性は実を結びません。15.では、どうすればよいのでしょうか。それは、わたしが霊で祈り、知性でも祈ることです。霊で讃美し、知性でも讃美することです。16.そうでなければ、たとえあなたが霊で祝福を求めて祈っても、初心者の席にいる人が、あなたの感謝の祈りに対して、どうしてアーメンと唱えることができるでしょうか。あなたが何を言っているのか、その人には理解できないからです。17.あなたが感謝の祈りをささげるのは構いませんが、他の人が建て上げられるわけではありません。18.わたしは、あなたがたのだれにもまさって異言を語れることを、神に感謝しています。19.しかし、教会では、異言によって一万の言葉を語るよりも、わたしは他の人々をも教えるために、自分の知性によって五つの言葉を語りたいのです。
20.兄弟たちよ、判断力においては子供となってはいけません。むしろ、悪においては幼児となりなさい。しかし、判断力においては大人となりなさい。21.律法にはこう書かれています。すなわち、
『この民に、わたしは異国の言葉によって、
異国の人々の唇によって語るであろう。
しかし、それでもなお、彼らはわたしに聞き従わない』と主は言われる。
22.ですから、異言は、信じる者たちのためではなく、むしろ信じない者たちのためのしるしです。しかし、預言は、信じない者たちのためではなく、むしろ、信じる者たちのためのしるしです。23.だからもし、教会が全員一緒に集まり、皆が異言を語っているところに、初心者か未信者が入って来たとすると、『あなたたちは気が狂っている』と言わないでしょうか。24.しかし、もし、全員が預言をしているなら、未信者か初心者の誰かが入って来ても、皆から誤りを悟らされ、皆から指摘を受けて、25.自分の心の隠れたことを明かされて、こうして『確かに神はあなたがたの中におられる』と知らされ、御前にひれ伏し、神に礼拝をささげるようになるのです。
26.兄弟たちよ、では、どうすればよいのでしょうか。あなたがたが共に集まる場合、それぞれ讃美をする者、教える者、啓示する者、異言を語る者、それを解釈する者は、皆が(教会を霊的に)建て上げるためにそうしなさい。27.もし、異言を語るなら、二人か、多くとも三人が順番に語り、一人が解釈しなさい。28.しかし、もし解釈する者がいなければ、教会では黙っていなさい。ただ、自分自身と神に対して語りなさい。29.しかし、預言する者たちは、二人か三人が語り、他の者たちはそれを吟味しなさい。30.席についている他の人に啓示が与えられたなら、初めの者は黙りなさい。31.あなたがた一人ひとりは皆、預言できるのですから。それは、皆が学び、皆が励まされるためなのです。32.また、預言する者たちの霊は、預言する者たちに従わせられます。33.神は無秩序の神ではなく、平和の神だからです。
聖なる者たちの諸教会がすべてそうであるように、34.諸教会においては、妻たちは黙していなさい。彼女たちには、語ることが許されていないからです。むしろ、律法も言っているように、彼女たちは(夫に)服従していなさい。35.しかし、もし何か知りたいのなら、家で自分たちの夫に尋ねなさい。妻にとって、教会で語ることは恥ずべきことだからです。36.それとも、神の言葉は、あなたがたから出たのでしょうか。それとも、神の言葉は、あなたがただけに伝わったのでしょうか。
37.もし、自分は預言者であるとか、霊の人であると思う人がいれば、わたしがあなたがたに書いていることは主の戒めであると心得なさい。38.もし分からないとすれば、その人は(霊の人とは)認められません。

39.[わたしの]兄弟たちよ、こういうわけですから、預言することを熱心に求めなさい。また、異言で語ることも妨げてはいけません。40.しかし、すべては適切に、秩序正しく行いなさい。




αἱ γυναῖκες ἐν ταῖς ἐκκλησίαις σιγάτωσαν (34)
「教会では妻たちは黙していなさい」

αἱ γυναῖκες  は「婦人たち」の意味と「妻たち」の意味があるが、ここでは35節とのつながりから、夫を持つ婦人(妻)たちと訳すべきでしょう。



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