2014年3月6日木曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」7章の翻訳(私訳)

ヨハネの黙示録 

7章


1.その後、わたしは四人の天使が、地の四隅に立っているのを見た。彼らは地の四方の風をしっかり押さえて、風が地にも海にも全ての木にも吹きつけないようにしていた。2.わたしはまた、ほかの一人の天使が生ける神の印を持って、日の出るほうから上って来るのを見た。そして大声で、地と海とを損なうことを許されたその四人の天使に向かって叫んで、3.言った。「わたしたちの神の僕たちの額に、わたしたちが印を押してしまうまでは、地も海も木々も損なってはいけない」。4.そしてわたしは、印を押された人々の数(が告げられるの)を聞いた。それは十四万四千で、イスラエルの子らの全部族の中から印を押されていた。
5.印を押された人々は、
ユダの部族から一万二千、
ルベンの部族から一万二千、
ガドの部族から一万二千、
6.アセルの部族から一万二千、
ナフタリの部族から一万二千、
マナセの部族から一万二千、
7.シメオンの部族から一万二千、
レビの部族から一万二千、
イサカルの部族から一万二千、
8.ゼブルンの部族から一万二千、
ヨセフの部族から一万二千、
ベニヤミンの部族から一万二千であった。
9.その後、わたしは見た。見よ、だれも数えることのできないほどの大勢の群衆が、あらゆる国民、部族、民族、言葉の違う民の中から、白い衣を着せられ、その手にシュロの枝を持って、御座と小羊との前に立っているのを。10.そして、彼らは大声で叫んで言った。
「救いは、御座に座しておられるわたしたちの神に、また小羊にある。」
11.天使たちは皆、御座と、長老たちと、四つの生き物の周りに立っていたが、彼らの面前で御座の御前にひれ伏し、神を拝して、12.言った。
「アーメン。賛美と、栄光と、知恵と、感謝と、誉れと、力と、勢いとが、わたしたちの神にいつまでも限りなくあるように、アーメン。」

13.すると、長老の一人が答えてわたしに言った。「この白い衣を着せられた人々は誰か。また、どこから来たのか」。14.わたしはその人に言った。「わが主よ、あなたがご存知です」。すると、その人がわたしに言った。「これらの人々は、大きな苦難を経て来た人たちで、自分たちの衣を洗い、小羊の血でそれを白くしたのである。15.だから彼らは、神の御座の前にいて、昼も夜も神の聖所で神に仕えているのである。御座の上に座っておられる方も、彼らの上に幕屋を張って住まわれる。16.彼らは飢えることも渇くこともない。太陽も、どんな炎暑も、もはや彼らの上に降りかかることはない。17.御座の真ん中におられる小羊が、彼らの牧者となり、彼らをいのちの水の泉へ導き、神が彼らの目から涙を全て拭い去ってくださるからである」。


●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 7章
https://youtu.be/d_wrZv9--YQ

κρατοῦντας τοὺς τέσσαρας ἀνέμους τῆς γῆς ἵνα μὴ πνέῃ ἄνεμος ἐπὶ τῆς γῆς μήτε ἐπὶ τῆς θαλάσσης μήτε ἐπὶ πᾶν δένδρον (1)
「地の四方の風をしっかり押さえて、地にも海にも全ての木にも吹きつけないようにしていた」
ἄχρι σφραγίσωμεν τοὺς δούλους τοῦ θεοῦ ἡμῶν ἐπὶ τῶν μετώπων αὐτῶν(3)
「わたしたちの神の僕たちの額に、わたしたちが印を押してしまうまでは」

地の四隅は”世界の四隅”で全世界を意味する。「風」は黙示的預言では多くの場合、戦争、戦い、この場合は特に「世界の終わりを意味する何か」と考えられる。もしそうだとすると、したがって、1節の意味は、四人の天使が、全世界に及ぶ大規模な世界的戦争もしくは、世界の滅亡をまねくような世界的大事件がまだ起きないよう「しっかり押さえて」いることの表象であろうか。そうだとしたら、この「しっかり押さえる」、それはいつまでだろうか?その答えは、その後現われる一人の天使が語る。「わたしたちの神の僕たちの額(の上)に、わたしたちが印を押してしまうまで」。それまでは起こらないが、それが完了すると起こることが暗示されている。  

σφραγῖδα θεοῦ ζῶντος (2) 「生ける神の印」=(生きておられる神の印章)  

神の僕たちの額の上に押されるのは、「生ける神の印」である。印はその人のものであることの証明。したがって、印を額に押されるということは、押された人々(=神の僕たち)がそれによって押した方(ほかの一人の天使)によって証明、もしくは所有されたことを意味する。1節2節の関連の中で理解することが重要。  

印を押された人々の数=144.000
上記の数はおそらく象徴的なものであろう。むしろ数より、それがイスラエルの十二部族(=字義的な部族の名は世界民族の代表として現われる)にくまなく広く及んでいることが重要。それは9節の「その後、私は見た。見よ、だれも数えることができないほどの大勢の群衆が、あらゆる国民、部族、民族、言葉の違う民の中から、白い衣を着せられ…」という表現からも理解できる。

★10節の「救いは~」は、「勝利は~」と訳すこともできる。




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