2014年3月19日水曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」9章の翻訳(私訳)

ヨハネの黙示録 

9章


1.五番目の天使がラッパを吹いた。わたしは一つの星が天から地に落ちるのを見た。そして、この星に底知れぬ所の穴の鍵が与えられた。2.この星が底知れぬ所の穴を開けると、その穴から、大きなかまどの煙のような煙が立ち上った。また、太陽も空も、穴から出る煙によって暗くなった。3.また、その煙からいなごの群が地に出て来た。そして、そのいなごの群に、地のさそりたちが持っているような力が与えられた。4.いなごたちには、神の印をその額に押されていない人々以外には、地の草も、どんな青草も、どんな木をも害してはならないと告げられた。5.その人々を殺してはならないが、五か月の間、悩まされることは許された。彼らの苦悩は、さそりが人を刺す時のような苦しみである。6.それらの期間、人々は死を願っても、決してそれを得られず、死ぬことをどんなに望んでも、死は彼らから逃げて行く。7.いなごたちの姿は、戦いのために準備された馬に似ていて、それらの頭に金の冠のようなものをかぶり、それらの顔は人間の顔のようであった。8.また、髪は女の髪のようで、それらの歯はライオンの歯のようであった。9.また、鉄の胸当てのような胸当てをつけ、その羽音は、多くの馬に引かれて戦いに走る戦車の音のようであった。10.また、さそりのような尾と針をもち、それらの尾には、五か月の間、人々に害を及ぼす力があった。11.いなごたちの上には、底知れぬ所の天使を王に戴いており、その名はヘブライ語でアバドンと言い、ギリシア語の名をアポルオンと言う。12.第一の災いが過ぎ去った。見よ、まだ二つの災いがこの後にやって来る。
13.六番目の天使がラッパを吹いた。するとわたしは、神の御前にある金の祭壇の四つの角から出る一つの声を聞いた。14.それは、ラッパを持っている六番目の天使にこう言った。「大きな川、ユーフラテスのほとりにつながれている四人の天使たちを解いてやれ」。15.すると、この時と日と月と年のために用意されていた四人の天使が、人間の三分の一を殺す為に解き放たれた。16.その騎兵隊の数は二億であった。わたしはそれらの数を聞いた。17.わたしが幻の中で、馬たちと、それに乗っている者たちを見た様子はこうであった。彼らは火と紫と硫黄の色の胸当てをつけ、馬たちの頭はライオンの頭のようで、それらの口からは、火と煙と硫黄とが出ていた。18.それらの口から出る火と煙と硫黄のこれら三つの災いによって、人間の三分の一が殺された。19.馬たちの力は、彼らの口と尾にある。彼らの尾は、ヘビに似て頭があり、これらの頭で(人間を)害するのである。

20.これらの災いで殺されなかった人々の中の残りの者たちは、悪霊どもや、見ることも聞くことも、歩くこともできない金や、銀や、銅や、石や、木などの偶像を崇拝するのをやめて、自分たちの手の業を悔い改めなかった。21.また、自分たちの殺人や、魔術や、不品行や、盗みを悔い改めなかった。



●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 9章


★4~6節は、神の印をその額に押されていない人々の遭遇する言い表せない苦しみを描いている。(第五のラッパの預言)  
★17~18節は、神の印を額に押されていない人々の三分の一が、2億の馬の口から出る火と煙と硫黄の三つの災害で殺されるとの預言。(第六のラッパの預言)   
★神の印を額に受けない人々とは誰か、また神の印とは何か。9章の重要なテーマでもある。




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