2016年5月17日火曜日

新約聖書原典「ガラテヤの人々への手紙」5章の翻訳(私訳)

ガラテヤの人々への手紙 

5章


1.キリストはわたしたちに自由を得させるため、わたしたちを解放してくださいました。ですから、しっかり立って、再び奴隷のくびきにつながれてはいけません。
2.聞きなさい、このわたしパウロがあなたがたに断言します。もし割礼を受けるなら、キリストはあなたがたを用のないものとなさるでしょう。3.わたしは割礼を受けるすべての人にもう一度おごそかに命じますが、その人は律法全体を行う義務があります。4.だれでも律法によって義と認められようとする人たちは、キリストから切り離され、恵みから落ちてしまったのです。5.わたしたちは、信仰による御霊によって、義とされる希望を待ちこがれているのです。6.キリスト・イエスにあるならば、割礼か無割礼かは問題ではありません。むしろ愛によって働く信仰こそが重要なのです。
7.あなたがたは正しく走っていました。(なのに)真理に従わないようにと、誰があなたがたの邪魔をしたのですか。8.この誘いは、あなたがたを召しておられる方から出たものではありません。9.わずかなパン種でも、練り粉全体を膨らませます。10.わたしは、あなたがたが別の考えを抱かないだろうと、主にあって確信しています。あなたがたの心をかき乱す者は、だれであろうと裁きを受けることになります。11.兄弟たちよ、わたしが割礼を今なお宣べ伝えているなら、なぜ、わたしが今なお迫害を受けるのですか。そうすれば十字架の躓きはなかったはずです。12.あなたがたをかき乱す者たちは、自ら切除すればよいのです。
13.兄弟たちよ、あなたがたは自由を得るために召されたのです。その自由をただ肉の(働く)機会としないで、むしろ愛をもって互いに仕え合いなさい。14.律法全体は、『あなたの隣人を、自分自身のように愛しなさい』という、この一言で全うされるからです。15.あなたがたが互いに傷つけ合い食らい合うなら、互いに滅ぼされないように注意しなさい。
16.わたしは言いますが、御霊によって生活しなさい。決して肉の欲望を満たしてはいけません。17.なぜなら、肉が望むことは御霊に反し、御霊が望むことは肉に反するからです。これらは互いに対立し合っているので、あなたがたがそれらのことをしようとしてもできないのです。18.もし、あなたがたが御霊に導かれているなら、あなたがたは律法の下にはいないのです。19.しかし、肉の働きは明らかです。それらは、不品行、不潔、不道徳、20.偶像礼拝、まじない、敵意、争い、しっと、怒り、党派心、分裂、分派、21.ねたみ、泥酔、酒宴と、それらのたぐいです。前にも言っておいたように、あらかじめ言っておきます。これらのことを行う者たちは、神の国を受け継ぐことはできません。22.しかし、御霊の実は愛、喜び、平和、寛容、親切、善意、忠実、23.柔和、自制であって、これらに反対する律法はありません。24.キリスト・イエスに属する者となった人々はその肉を、その激情や情欲もろとも十字架につけてしまったのです。

25.わたしたちが御霊によって生きているなら、御霊によっても歩こうではありませんか。26.互いに挑戦し合ったり互いにねたみ合ったりして、虚栄心の強い者にならないようにしようではありませんか。





★「主にあってあなたがたを信頼しています」(10)

この「信頼しています」はギリシア語文法の完了形が使われている。この形は、過去から現在に至るまで「ずっと信頼続けている」ことを意味している。

Ὄφελον καὶ ἀποκόψονται(12)
「自ら切除すればよいのだ」

割礼を重んじる人たち(男子)は、性器の一部を切ってアブラハムの子孫であることを証明した。こうして彼らは律法を守る民を自負していたが、この行為を異邦人(ガラテヤ人)にも強要しようとした。こうしてガラテヤのクリスチャンたちを惑わす人たちに対し、パウロは激しい感情をむき出して言う。上記の「自ら切除すればよいのだ」は、人々を福音から引き離そうとするユダイストたちに、パウロは、割礼を受けた性器の一部だけではなく、その全部を切除すればよいと怒りを込めて言っているのである。




           散歩道の風景① 石神井公園(東京・練馬)

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