2014年4月23日水曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」13章の翻訳(私訳)


ヨハネの黙示録 

13章


1.わたしはまた、十の角と七つの頭を持った一匹の獣が海から上って来るのを見た。それらの角の上には十の冠があり、それらの頭には神を汚す名が書かれていた。2.わたしが見たその獣は豹に似ていた。その足は熊のようで、その口はライオンの口のようであった。竜はこの獣に、自分の力と自分の王座と、大きな権威とを与えた。3.そして、その頭の一つが死ぬほどの傷を負ったが、その死ぬほどの傷も治ってしまった。
そこで、全地は驚き、この獣に従い、4.人々は、獣に権威を与えたことで、この竜を拝み、また、この獣をも拝んで言った。「この獣のように(偉大な)者がいるだろうか。だれがこの獣と戦うことができようか」。
5.また、この獣に、大きなことを語り、神を汚す口が与えられた。また、四十二か月の間、活動する権威が与えられた。6.そして、獣は神を汚すために、自分の口を開いて、神の名とその幕屋と天に住む者たちを汚した。7.また、聖徒たちと戦って、彼らに勝つことを許された。また、すべての部族、民族、言葉の違う民、国民を支配する権威を与えられた。8.地上に住む人々で、屠られた小羊の命の書に、世のはじめからその名が書かれていない者は皆、その獣を崇拝するだろう。
9.耳のある者は聞きなさい。10.捕らわれるはずの者は捕らわれて行き、剣で殺されるはずの者は剣で殺される。ここに、聖徒たちの忍耐と信仰とがある。

11.わたしはまた、ほかの獣が地から上って来るのを見た。その獣には小羊のような二本の角があって、竜のように語っていた。12.そして、先の獣が持っている権威をすべて獣の前で行った。それは、地と地に住んでいる人々に、死ぬほどの傷も治った先の獣を拝ませるためであった。13.また、大いなるしるしを行い、人々の前で火を天から地に降らせた。14.また、獣の前で行うことを許されたしるしによって地上に住む人々を惑わし、剣の傷を負ってもなお生きているその獣の像を造ることを、地上に住んでいる人々に命じた。15.また、獣の像に息を吹き込むことを許され、この獣の像がものを言うことさえできるようにさせ、この獣の像を拝まない者がいれば、皆殺させるようにした。16.また、小さな者たちにも大きな者たちにも、富める者たちにも貧しい者たちにも、自由な者たちにも奴隷たちにも、すべての者たちに、彼らの右手に、または彼らの額に印を押させるようにした。17.それは、獣の名の印を押されている者、または、獣の名の数字を押されている者でなければ、だれも買うことも売ることもできないようにするためであった。18.ここで知恵が必要である。理解力のある者は、獣の数字を数えなさい。それは一人の人間の数字だからである。彼の数字とは、六百六十六である。



●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 13章

οὗ οὐ γέγραπται τὸ ὄνομα αὐτοῦ ἐν τῷ βιβλίῳ τῆς ζωῆς τοῦ ἀρνίου τοῦ ἐσφαγμένου ἀπὸ καταβολῆς κόσμου (8)
「屠ふられた小羊の命の書に、世のはじめからその名が書かれていない者は~」

原文の下線の引いた部分、「世界の初めから」が、「屠ふられた~」にかかるのも文法上は可能。しかし、両者では、まったくその意味が違ってくることに注意。



 



0 件のコメント:

コメントを投稿