2014年4月20日日曜日

新約聖書原典「ヨハネの黙示録」12章の翻訳(私訳)



ヨハネの黙示録 

12章


1.また、大いなるしるしが天に現れた。一人の女が太陽を着て、その足の下には月を(踏み)、その頭上に十二の星の冠を戴き、2.腹には子を宿していて、子を産もうと苦しみ悶えて叫んでいた。3.また別のしるしが天に現れた。見よ、それは七つの頭と十の角を持ち、その七つの頭に七つの冠をかぶった巨大な赤い竜であった。4.その尾は、天の星の三分の一を掃き寄せ、それらを地に投げ落とした。また竜は、子を産もうとしている女の前に立ちはだかり、子が生まれたなら、その子を食い尽くそうとしていた。5.彼女は男の子を産んだ。その子は、全ての国々を鉄の杖をもって治めることになっていた。彼女の子は神のもとへ、その王座へ連れ去られた。6.女は荒野へ逃れた。そこには神によって用意された場所があった。そこで彼女が、千二百六十日の間、養われるためであった。
7.また、天において戦いが起こった。ミカエルと彼の天使たちが、竜と戦った。竜と彼の天使たちも戦った。8.しかし、竜は勝てず、もはや天では彼らの居場所を見つけることができなかった。9.そして、この巨大な竜、古くからの蛇、悪魔とかサタンとか呼ばれ、全人類を惑わす者は地上に投げ落とされた。彼の天使たちも一緒に投げ落とされた。10.わたしはまた、大きな声が天でこう言うのを聞いた。
「今こそ、わたしたちの神の救いと力と支配と、
また神のキリストの権威が現れた。
それは、わたしたちの兄弟たちを訴える者、
わたしたちの神の御前で、
昼も夜も彼らを訴える者が、
投げ落とされたからである。
11.兄弟たちは小羊の血と、
彼らの証しの言葉によって竜に打ち勝ち、
死に至るまで自分たちの命を惜しまなかった。
12.それゆえに、
天と、その中に住む者たちよ、喜べ。
地と海とは災いだ。
悪魔が自分の時が短いことを知り、
大いなる怒りを持って、お前たちのところに下って来たからである。」

13.竜は自分が地に落とされたことを知った時、男の子を産んだ女を迫害した。14.女には大きな鷲の翼二つが与えられた。それは女が、自分の場所である荒野へ飛んで行き、そこで蛇の前から逃れて、一時と、二時と、半時の間、養われるためであった。15.蛇は、自分の口から女の後ろに、水を川のように吐き出した。それは、彼女を押し流すためであった。16.地は女を助けた。地はその口を開いて、竜が自分の口から吐き出した川を飲み干した。17.竜は女の上に怒りを発し、女の子孫の残りの者たち、すなわち、神の戒めを守り、イエスの証しを持つ者たちに対して戦いを挑もうと出て行った。18.そして、海の砂の上に立った。


●「自然の中で聴く聖書」ヨハネの黙示録 12章


ἐπὶ τὰς κεφαλὰς αὐτοῦ ἑπτὰ διαδήματα (3)
「その頭(複数)の上に七つの冠を(かぶり)」

3節の頭は複数で、先行の「七つの頭」を示すと思われる。一般の翻訳では「頭」と単数で訳されていることに注意する必要がある。

ἐχόντων τὴν μαρτυρίαν Ἰησοῦ (17)
「イエスの証しを持つ者たち」

「イエスの」と、明確に属格で書かれている。このことは、イエスに対する「私たちの」証しではなく、イエスが語られ教えられて、私たちに託された「イエスの」証しと解釈すべき。

★12章は神(キリスト)とサタンとの大争闘を凝縮して描いている。






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