2017年7月4日火曜日

新約聖書原典「ヤコブの手紙」3章の翻訳(私訳)

ヤコブの手紙 

3章


1.わたしの兄弟たちよ、多くの者たちは、教師になってはいけません。わたしたちは、より一層の厳しい裁きを受けることを知っているからです。2.わたしたちはみな、多くの過ちを犯します。もし、言葉の上で過ちがないなら、その人は、全身をも制御することのできる完全な人です。3.馬を御するために、馬の口にくつわをはめれば、その全身を引きまわすことができます。4.また、船を見なさい。あのように大きいですが、強風に吹きつけられても、小さな舵によって、舵取りは、進みたいと思う方向へと導くのです。5.このように、舌も小さな器官ですが、大言壮語します。見なさい、どんなに小さな火でも、大きな森林を燃やしてしまうのです。6.舌は火です。不義の世界です。舌は、わたしたちの体の器官の一部として備わっているものですが、全身を汚し、生存の車輪を燃えあがらせ、ゲヘナの火によって焼かれます。7.あらゆる自然の獣も、鳥も、は虫類も、海の生物も、人類によって制せられているし、また、制せられてきました。8.しかし、舌を制することのできる人は一人もいません。舌はしずめようのない悪であって、死をもたらす毒に満ちています。9.わたしたちは舌で、父でもある主を讃美し、またその舌で神に似せて造られた人々を呪っているのです。10.その同じ口から、讃美と呪いが出て来るのです。わたしの兄弟たち、このようなことは、あってはなりません。11.泉が、同じ穴から、甘い水とにがい水とを湧き出させることができるでしょうか。12.わたしの兄弟たち、いちじくの木がオリーブの実を、ぶどうの木がいちじくの実を結ぶことができるでしょうか。塩水も甘い水を生じることはできません。

13.あなたがたの中で、知恵があり、物わかりのよい人は誰ですか。その人は、自分の知恵のある柔和な行いを、良い振る舞いによって示しなさい。14.もし、あなたがたの心の中に、にがにがしいねたみや党派心があっても、自慢したり、真理に逆らってうそを言ったりしてはいけません。15.そのような知恵は、上から下って来たものではなく、地に属する知恵であり、肉に属するもの、悪魔に属するものです。16.ねたみや党派心がある所には、騒乱とあらゆる悪い出来事がおこります。17.しかし、上からの知恵は、第一にきよく、次に平和に満ち、寛容で、従順で、憐れみと良い実に満ちており、偏見がなく、偽りがありません。18.そして、平和をつくり出す人々によって、義の実が平和の内にまかれるのです。

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●「自然の中で聴く聖書」ヤコブの手紙 3章



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