2015年8月19日水曜日

新約聖書原典「コリントの人々への手紙一」5章の翻訳(私訳)

コリントの人々への手紙  

5章


1.現に、あなたがたの内に不品行が、それも、異邦人たちの間にもないような不品行があると聞いています。すなわち、ある人は父親の妻を所有しているということです。2.それなのに、あなたがたは高ぶっています。あなたがたの中から、そのような行いをした者を除くために、もっと悲しむべきではありませんか。3.実際、わたしは体では(あなたがたから)離れていても、霊ではその場に居るのです。ですから、わたしは、その場に居る者のように、このような行いをした者をすでに裁いているのです。4.あなたがたが、[わたしたちの]主イエスの名によって集められたとき、わたしの霊も、わたしたちの主イエスの力によって共にいて、5.そのような者を、肉が滅びるようにサタンに引き渡したのです。それは、霊が主の日に救われるためです。6.あなたがたが誇るのは、良いことではありません。少しのパン種でも、練り粉全体を膨らませることを知らないのですか。7.新しい練り粉であるために、古いパン種を取り除きなさい。事実、あなたがたはパン種のない人々なのです。わたしたちの過越の小羊であられるキリストはほふられたからです。8.ですから、わたしたちは、古いパン種や邪悪で不義のパン種によるのではなく、パン種によらない誠実と真実とによって過越祭を祝おうではありませんか。
9.わたしは(以前に)手紙で、不品行を行う者たちと交際してはいけないと書きましたが、10.それは、この世の不品行を行う者たちや、貪欲で意地汚い者たち、偶像礼拝者たちと一切、交際してはならないということではありません。もしそうであれば、あなたがたは世から出て行かねばならないでしょう。11.実際、わたしがあなたがたに書いたのは、兄弟と呼ばれている人で、不品行を行う者、貪欲な者、偶像を礼拝する者、悪口を言う者、酒に酔う者、強欲な者がいれば、そのような者とは交際してはいけない、食事も共にしてはいけないということです。12.外の人々を裁くことは、わたしの務めでしょうか。中にいる人たちを裁くことが、あなたがたの務めではありませんか。13.外の人々は、神が裁かれます。
『あなたがたの中から、悪を除き去れ』




ἐξάρατε τὸν πονηρὸν ἐξ ὑμῶν αὐτῶν (13)
「あなた方の中から、彼らの悪を除き去れ」

上記は申命記13:5、17:7、21:21、22:21などからの引用である。申命記では「悪を除き去れ」と訳しているように、コリント5:13でも「彼らの悪」とも訳すことが可能。ただし、5章の文脈を考えるなら、例えば、5:2「そのような行いをした者を除くために、もっと悲しむべきではありませんか」と諭していることから、排除するのは「悪を行った者」である。



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